月, 11月 14, 2005

Truman Capote, “In Cold Blood”

Posted in books, novels @ 10:05 by jayo

カポーティ『冷血』を読んだ。カンザスで実際に起きた殺人事件についての、ノンフィクション・ノベル。犯人、被害者、彼らを取り巻く人々の感情の描写がリアルで豊か。事実の凄みと小説の豊かさが共存してる。

アメリカの社会階層、殺人犯の感情の動き、死刑囚と接する人々の心情といったものが生き生きと描写されている。そして、何よりもすごいのが小説として面白 いところ。これがすべて虚構の世界の話でも十分に面白い。現実をここまで豊かに描けるって、カポーティの才能はとてつもないんだと思う。

現実を題材に小説を書きました、って聞いたら普通だったら身構えてしまうと思う。だって、描く題材に困った作家が世間のいやらしい野次馬根性を当てにして 作品を仕上げたみたいだから。Aoyama Book Centerで見かけたこの本がカポーティのものでなかったら、文章に目を通してすぐに心を奪われなかったら、僕はこの本を読まなかったと思う。

「冷酷な犯罪者に鉄槌を」でも、「死刑制度反対」でもない、真実が描かれていると思う。そして、犯人の一人を妙にかわいそうに感じてしまう。それは、カポーティがそういう書き方をしているせいもあるのだろうけど。

矛盾とか迷いをちゃんと文章に込める作家ってすばらしい。もちろん、洗練されている必要はあるけれど。

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